豆と精製

テロワール

テロワールとは、土壌の成り立ち、微気候、標高、地形といった環境のすべての要素の組み合わせで、それらが一体となってカップの中のコーヒーの最終的な風味を形づくる。スペシャルティコーヒーの世界では、この考え方が、わずか数キロしか離れていない土地で育った豆がまったく別の個性を持ちうる理由を説明してくれる。コーヒーノキは周囲のあらゆるものを吸い上げる。たとえば標高が高ければ果実の成長は遅くなり、密度が高く天然の糖分をより濃く蓄えた豆になる。この現象ゆえに、養分に富んだ火山性の土で育った特定の品種は鮮やかで柑橘のようなテイスティングノート(自然な風味の特徴)を育むのに対し、同じ品種でも標高が低く日陰の多い谷で育てばチョコレートやナッツのほうに傾くことがある。この環境の指紋はきわめて明確で、経験を積んだ barista ならブラインドの試飲でも、土地が豆に残したものだけを頼りに、そのコーヒーの国や地域を言い当てられることが少なくない。

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